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No.1

バカみたいに子供じみたことを言っているが、それくらい嬉しかった。  
今から10年前に、 71Yナローポルシェを手に入れた。それを自分で中も外もやりなおそうと張り切っていたのだ。
しかし、手前どもが忙しく車の置き場所にも困っていた頃なので、知人の板金屋さんに外注に出した。 
とにかくボディーの腐食が気になって、一刻も早く手を入れて欲しいと気が焦っていたが、まてよ、どうせするならと、エンジンもミッションもはずして全部の整備も同時にと、やりだした。それが最悪の事態 になろうとは?……。

まずは M/Tを分解、手慣れたものでシンクロリング全部取り替え、ギアはOKと、スイスイ進んだ。それからエンジンは磨きながらなんて思いながら……バラバラに。ウーン……。さすがポルシェのエンジンは精密だ。でもねずみ色になった各ケースはめちゃ時間がかかる。フィンがたくさん有り、それをワイヤブラシ、ペーパーコンパウンド等で研ぐのだ。でも本業が忙しい。どうしよう……今度ゆっくり……。
 これがいけなかった。「今度」は二度となかった。
1年たち2年たち、そして10年……。ある日ボディーがそろそろ完成との連絡が入った。(実は一軒目で気に入らなくて2軒目の板金屋さん)
エンジンが無い状態なのでみっともないが、良い色になってきた。さあ、いくらなんでもエンジンを組むぞ!!だがしかし、エッ!?大変だー!エンジンが腐ってる!しまった!何故?

 「ポルシェエンスー」がなんという失態。クランクケースはマグネシウムなのだ、これはオイルが満ちていないと空気に触れて腐食するのだ。最低、最悪……。しかも、保管しておいたはずのパーツも行方知れず。こうなったら工場中を探し回って、なんとしても、絶対仕上げるぞ!!
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